住宅ローンをご検討中の皆さま、こんにちは。僕です。
あなたは「住宅ローンを出来るだけ有利に組みたい」と思われたことはありませんか?
持ち家と賃貸のどちらが良いかという議論も悩みどころですが、いざ買うと決めたら今度は住宅ローンの壁が現れる。
わかりますよ、僕もそうでした。
住宅ローンは親戚や知人に相談できる身近な金融商品ですが、ここは改めて必要な考え方を整理してみましょう。
今回は銀行員直伝の住宅ローン組み方指南シリーズです。ただし、金利交渉の駆け引きの紹介ではありません。
そのようなテクニカルなことは二の次三の次です。(そもそも今は金利の限界水準なので不要。時間の無駄です。)
ローンを組むことを考え始めたら
住宅ローンを組む前に、まずは人生設計が全ての始まりです。どんなライフスタイルで、どこの地域で、どのような生活をするのかを想像してみましょう。
住宅ローンは20年、30年に亘る長い取引です。1年先の人生もわからないのに、何も考えず契約するのはややリスキーです。転職や独立で一時的に収入が減る可能性がある場合は、それを前提としておきましょう。
また、Fintech(フィンテック)により歴史的な転換点を迎えている銀行業界ですので、いつ経営破綻や合併が行われるかわかりません。
このように、今までとこれからのライフスタイルの変化と、付き合う金融機関選びは従来以上によく考えなければなりません。ただし、万が一ローンを組んだ金融機関が破綻しても丸々損をすることは少ないので過度に心配しなくてOKです。
前述しました通り、住宅ローンはある程度完成された金融商品ですので、基本的には債権(あなたが組んでいる住宅ローン)を引き継ぎたい金融機関が現れることが一般的です。
生活圏において便利な金融機関か、ネット銀行など自分にあった形態をまずは考えてみましょう。実際に契約するか考えるのはその後です。
住宅ローン契約の流れ
- ローン事前申し込み
- 事前審査(金融機関、1週間程度)
- 住宅の売買契約
- ローン本申し込み
- 本審査(金融機関、1週間程度)
- 住宅ローン契約
- 住宅引き渡し(住宅ローン実行、物件購入代金支払い)
住宅ローンの一般的な流れは上記の通りです。
まずは事前申し込みを行いましょう。最近ではインターネットで簡単に複数の金融機関に出すことができます。
事前申し込みは「借りる目途」をつける申し込みなので、複数の金融機関に打診し、あとでキャンセルができます。住宅を購入する際はローンが前提となるケースが多いので、仮申し込み結果を見ないと売買契約を結べないケースが多いと思います。
金融機関の選び方
事前申し込みの段階で、金融機関が提示する条件を比較します。基本的な優先順位は人により異なりますが、見るべきポイントは大きく4つです。
- 金利(変動金利〇%、固定金利〇%、当初固定金利▲年〇%など)
- 付加価値の有無(3大疾病保障などの保険機能、系列店の購入時に常時〇%OFFなど)
- 手数料率や保証料のコスト(定額型、定率型)
- ライフスタイルがその金融機関と付き合える環境にあるか
このあたりはライフスタイルと資金計画によります。ある程度余裕がある場合には選択肢が増えますが、余裕がない場合には選択肢が限られてきます。
各金融機関のホームページで試算ができますので、よかったら試してみましょう。毎月の返済額のイメージもここで固めましょう。
ローン取扱手数料の定額型、定率型の選び方
意外と知られていないのが、ローン取扱手数料の定額型と定率型の違いです。
定額型は当初の負担が少ないプラン(10万円程度が一般的)です。これのメリットは初期費用が抑えられることですが、デメリットは金利に表示金利+0.2%など上乗せされる点です。
一方で定率型は借入額の2%などを一括で徴収されます。3,000万円借り入れる場合では60万円の負担が必要ですが金利は表示金利のままです。初期負担は増えますが、支払総額は定率型の方が抑えられます。
これらは使いわけがありますが、基本的には当初費用を捻出できない方や将来的な借り換えを視野に入れている人は定額型、完済するまで付き合う予定で初期費用を負担できる人は定率型が向いています。
金利は見た目以外の要素が特に大切
最も悩ましいのが住宅ローンの金利です。ここは特に気を引き締めましょう。例えば3,000万円借りる場合の金利の0.01%を考えてみましょう。(ここでは金利の計算などが超苦手な人のためにざっくりと簡略化してみます)
3,000万円の0.01%は3,000円です。年間3,000円×35年で10万円の差が出ます。A社で借りると0.6%、B社で借りると0.7%の差があるとすると、その選択肢は10万円の価値があるか考えることと似ています。このあたりは色んな考え方がありますが、本当に気軽に決めて良いのかは予め認識しておきましょう。
話を戻します。見た目以外の要素とは、前述した「付加価値の有無」です。
例えば金利0.6%には3大疾病(がんなどの病気の際にローンがチャラになる仕組み)がついているA社と、金利0.55%で3大疾病をつけると金利+0.1が必要なB社の場合。
同じ条件にならしてみると、3大疾病付き住宅ローンがA社で0.6%、B社で0.65%ということになります。こうした条件は必ず書いてありますので、必ず自分でチェックしましょう。
金利や付加価値の条件が有利と評判なのは、一般的に都市銀行・地方銀行<信託銀行<ネット銀行等の順番です。
住宅ローンは金融機関にとってあまり儲からない(=消費者に有利な)金融商品なので、人件費の抑えられるネット系銀行や流通系の銀行に強みがありますね。
まとめ
- 住宅ローンを組む前に、長期契約のリスクを一度立ち止まって考えてみよう
- 現在は歴史的な低金利なので基本的に金利交渉は不要
- 表面的な金利だけではなく、保険機能や買い物の割引機能にも注目しよう
- 原則的には人件費のかからないネット系銀行が条件は有利なケースが多い
- 多少の金利の違いが将来的には大きな違いに。簡単に考えず、一度深呼吸。
今回は基本的な住宅ローンの組み方指南シリーズとして作成しました。
次回は具体的な「お金」に関する指南をご提供します。
最後までお読み下さり、どうもありがとうございました。