円高?ドル高?為替についてキチンと説明できますか?

為替についてお悩みの皆さま、どうもこんにちは。僕です。

何気なくニュースで耳にする「日経平均株価」や「TOPIX」、そして外国為替。

意外と説明できるオトナが少ないのが外国為替なんですよね。

銀行員にだって雰囲気で理解しているけど説明できない人は多いです。

この記事を活用し、為替について説明できるくらい理解を深めてみましょう。

知っておきたい外国為替の基礎知識。

為替って誰がどこで取引してるの?

まず、当たり前なようで皆知らないこのテーマ。

為替は誰が、どこで売買し価格を形成しているのでしょうか。

為替取引の担い手は、投資家や金融機関の他、海外旅行に行く(帰る)個人などです。

取引する場所は主に「オンライン上」であり物理的な取引所ではありません。

 

株式などは東証(東京証券取引所)などがありますが、為替はデータのやりとりで取引することが一般的です。

また株式と異なり配当も議決権もないので、為替は単なる交換レートにすぎません。

そのため「こっちの方が有利かな?」というふわっとした思惑が集まり、レートが決まることがあります。

 

海外旅行のお金の両替などは金融機関などで対応することもありますね。

こうした個別の「相対取引」も存在はしますが規模はごくわずかです。

両替に応じる金融機関も舞台裏では市場から外貨を調達している、ということを考えればわかりやすいですね。

「ドル高円安」ってどういうこと?

こういうニュースが日々流れていますよね。

「本日の為替レートは、海外情勢への不安から円を買う動きが強まり、前日比50銭円高の1ドル⚫⚫円」。

ここで多くの人が説明できないのが「円を買う」とはどういうことなのか、です。

 

多くの人は世間がドルを売って円を買っているから円高だ、となんとなく理解をされています。

ではこんな時はどのように説明するのでしょうか。

「本日のドル円の為替レートは、海外情勢への不安から円を買う動きが強まり、前日比50銭円高の1ドル⚫⚫円。」

「一方ユーロに対しては円を売る動きが強まり、前日比80銭円安の1ユーロ◎◎円です。」

 

世の中には100種類を遥かに超える種類の通貨が存在します。

このため一言で「円高」や「ドル安」と言ってもイメージがしにくく、誤った説明にも繋がるのです。

為替は通貨の強さランキング

さきほどの例を見てみましょう。

  • 1ドルに対して50銭円高。
  • 1ユーロに対して80銭円安。

これを数学的に記号を用いて表すと、次のようになります。

ユーロ>円>ドル

 

世界が三つの通貨だけだと仮定すると、この日はユーロが最も強くドルが最も弱かったと言えます。

この場合は単に「円高」と言うだけでは適当ではありません。

むしろ「ドル安」なのです。

 

円はユーロに対しては弱く、ドルに対しては強い。

ユーロは円に対して強い。(円はドルに対して強いからユーロもドルに対して強い)

ドルは円に対して弱い。(円はユーロに対して弱いからドルもユーロに対して弱い)

 

こうしたことを理解すると「円高ドル安」という2通貨のみの比較では相場を見誤ることがわかると思います。

なお日本では円を基準に為替レートを相対比較しますが、世界的にはドルを基準に比較しています

 

例えば円からインドルピーに両替する場合。

1インドルピー=1.6円くらいです。

このレートの決定には「円↔インドルピー」の交換ではなく次のプロセスを経ています。

円↔ドル↔インドルピー

2018年4月10日現在で1ドル=107円、1インドルピー=0.015ドル程度です。

ここから計算された結果、円との為替レートが算出されます。

107円(1ドルあたり)×0.015ドル(1インドルピーあたり)=1.6円(1インドルピーあたり)

 

こうして、基本的にはドルを中心に為替レートが決まります。

だから米ドルが「基軸通貨」と呼ばれたりするのです。

為替が与える影響を考えみよう

為替の簡単エクササイズ

ドルと円の2通貨に絞って簡単にエクササイズしてみましょう。

(1)次のケースは「円高」「円安」どちらでしようか。

    1ドル=100円が1ドル=110円になった

(2)次のケースは「ドル高」「ドル安」どちらでしようか。

    1ドル=100円が1ドル=95円になった

(3)日本からモノをドル建で海外に売る場合、有利なのはどちらでしようか。(販売後すぐに円に両替するものとする)

  1. 1ドル=100円の時に仕入れ、1ドル=110円の時に販売
  2. 1ドル=110円の時に仕入れ、1ドル=100円の時に販売

解説

(1)「円安(ドル高)」

「1ドル」をおにぎりに置き換えると簡単です。

1個100円だったものが110円になりました。

おにぎりの値段が上がり(ドル高)、円の価値が下がったのです(円安)。

 

ここで常に考えたいことがあります。

「おにぎりが値上がりした」のか「円の価値が下った」のかどちらなのか、ということです。

なぜそうなったのかを考える習慣をつけたいものですね。

 

(2)「ドル安(円高)」

上記「1」と同じ理屈です。

迷ったらモノに置き換えて考えてみましょう。

 

(3)「1」

円安になったら輸出企業が儲かる、というアレです。

為替が動かなければ1ドル(100円)で仕入れて1ドル(100円)で売ればプラマイゼロです。

1ドル(100円)で仕入れて1ドル(110円)で売れば10円プラス、1ドル(90円)で売れば10円マイナスです。

同じ売上1ドルでも円に直せば売上が良くも悪くもブレます。これが為替リスクですね。

まとめ

  • 為替は通貨の強さランキング
  • 「円高」か「円安」かの判断は意外と難しい
  • 「何に対して」の円高か円安かを常に意識しよう
  • なぜそうなったのか、為替がどう影響するのか、考えてみよう
  • 興味をもったら「金利」と「為替」の両面で色々調べてみよう

いかがでしたでしょうか。

オトナとして知っておきたい内容だと僕は思っていますし、そう感じて頂けたなら幸いです。

なお為替は金利とセットで取引されることが一般的です。

このため、高金利通貨=有利な通貨ということにはなりません。

投資信託などで運用する際には気をつけたいことですね。

このあたりはまた後日ご説明します。

 

最後までお読み下さり、どうもありがとうございました。

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