確定申告のポイント(平成29年度版)

どうも、僕です。

あなたは「確定申告」で少なからず頭を悩ませたことはありませんか?もうじき確定申告シーズンが始まりますので悩ましいですよね。

住宅を購入すれば住宅ローン控除のため、予期しない医療費負担が発生したための医療費控除のため、ふるさと納税や被災地への寄付などのための寄付金控除、ご相続が発生したための申告手続き、仮想通貨で利益を出したことによる申告など色んなパターンがあります。

それぞれどんな点に気をつけなければならないか、ざっくりとご紹介します。ただし個別具体的なアドバイスは税理士でない僕はコンプライアンス的に対応できませんのでご容赦下さい。

確定申告って誰がするもの?

基本的には次に該当する人が対象となります。

  • 自営業または賃貸不動産オーナーの方
  • 年収2000万円以上の給与所得者
  • 複数箇所から給与をもらっている方
  • 副業で20万円以上の収入のある方
  • 何らかの還付を受けたい方

詳しくは国税庁HP参照して下さい。

参考 申告書の提出が必要な方とは 国税庁HP

税金について調べた方が良い人の条件

税金は「足りなければ追徴されるが能動的に還付はしてくれないもの」というのが原則的な考え方です。つまり「足りないと言われる(かもしれない)人」「還付請求する権利がある(かもしれない)人」は確定申告についてググってみる価値があります。

MEMO
例えば「仮想通貨 確定申告」「副業 確定申告 サラリーマン」「医療費控除 タクシー 還付」などで検索してみると良いでしょう。国税庁HPのタックスアンサーも参考になります。

確定申告が必要な代表的なパターン

ここでは近年の代表的なパターンをご紹介します。

ふるさと納税をした人(する人)

いきなりですが、これは珍しく「能動的に還付してくれる」制度です。いきなり原則に反してごめんなさい。だけどこうした納税者フレンドリーな制度は利用しない手はないですよ!似たような有利な制度にNISAやiDeCoなどが挙げられます。これらについても「やらなきゃもったいない」制度なので今後ご紹介します。

さて、ふるさと納税については平成29年よりワンストップ納税制度が出来てとても便利になりました。年間で5箇所までのふるさと納税であれば、寄付する際の自治体との書類のやり取りだけで年末調整でやってくれるので確定申告は不要となりました。

注意点としては寄付申請時に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を同時に請求すること!請求すれば、ふるさと納税では「お礼の品」と「寄付金受領証明書」と「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」が自宅に送られてきますので、それに記入例に従って記入して、返送するだけです。とっても簡単!ただしマイナンバーと本人確認書類の写しが必要なことと、1回の寄付毎に申請書が必要なのでお忘れなく!

個人的なことですが、僕は昨年は福岡と日立市の「もつ鍋セット」と「LEDシーリングライト」をもらいました。普段は1万円の買い物にすらめっちゃビビるチキンでヘタレの僕ですが、自己負担2000円で寝室のシーリングライトを買えると思うと気軽にポチれました。このあたりのふるさと納税の活用法やHow toについては後日ご紹介しますね。

住宅をローンで購入した方

一般的に最もポピュラーな確定申告のひとつですね。老若男女、広く浸透していますので身近な方にも聞けると思います。今回は住宅をローンを組んで購入し、その年のうちに居住を開始したと想定しましょう。その場合は翌年(居住後初の年明け)の1月中旬に金融機関から「住宅ローン残高証明書」が送られてきます。

手元に「住宅ローン残高証明書」と住宅購入時に渡された「不動産売買契約書」等の書類一式を用意しましょう。おそらく住宅購入時に綺麗なファイルに入れられて渡されているはずです。

あとは国税庁HPの確定申告書作成コーナーからガイドに従って各書類から転記するだけです。

参考 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)国税庁HP

参考 所得税(確定申告書等作成コーナー)国税庁HP

翌年以降は年末調整で対応できるのでサラリーマンの方は会社に提出すればほとんど完了です。必要な書類は、初年度の確定申告後に税務署から送付される「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」(10年分届きます)・「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」。きちんと保管しましょうね。 

余談ですが、一口に住宅ローンはほぼ完成された金融商品ですので何も考えずとも「とりあえずは」問題なく組めます。ですが「繰り上げ返済した方がいいのか?」など知って得する知識や考え方は以外と普及していません。こちらも追々ご紹介させて頂きます。

医療費をたくさん支払った方

医療費控除の活用をご検討の方、まずはお見舞い申し上げます。僕もある年に妻がちょっとした手術をすることになり、医療費控除のお世話になりました。気が動転するときに慣れないことを考えるストレスはとてもよくわかります。微力ながら力になりますよ。

さて、医療費控除は平成29年より領収書原本の添付が不要になりました。国税庁HPより「医療費控除の明細書(Excel形式の計算書)」を作成し、それを確定申告書に添付すれば良いのです。詳しくは下記をご参照下さい。控除額の試算もできますよ。

参考 医療費控除が変わります国税庁HP

ただし領収書原本は5年間の保管が義務づけられてますのでご注意下さい。提出は不要ですが、保管する必要があります。これらは何らかの事情で税務調査が入った場合の重要な証拠になりますので決して軽視せず、ファイルにまとめて屋根裏や押し入れにでも押し込んでおきましょう。

MEMO
医療費控除の金額は、次の式で計算した金額(最高で200万円)です。

(実際に支払った医療費の合計額 ー 保険金等で補填される金額) ー 10万円

投資で損益通算をしたい方

一般的なサラリーマン世帯ではあまり使われている印象はありませんが、運用をたくさんされる方には使うと有利な制度です。一般的に「源泉徴収有りの特定口座」で運用されている方は申告の必要はありません。口座内の損得は勝手に相殺されるからです。ですが、確定申告した方が良いケースがあります。

A証券の特定口座でトータルが▲10万円、B銀行の特定口座でトータル+5万円(税金支払いは1万円)だとすると、二つの特定口座の損益を合算(損益通算)すればトータル▲5万円となり、支払った税金1万円が還付されることになります。複数の金融機関で運用しており、それぞれに損と得が出て相殺できそうな場合には検討してみると良いでしょう。

ついでに「損失の三年間の繰越控除」があります。来年は今回の▲5万円の枠を使用できますので、来年の利益が5万円までなら利益を相殺できます。注意点としては、確定申告しなければ「繰り越しの損失は使えない」ことと「損失の繰越控除を二年目以降に継続できない」ことです

このあたりも「能動的には還付してくれない」原則を覚えておけばオッケーです。このあたりは手間と金額の問題で考えて頂ければ良いかな。ですが、Bitcoin(ビットコイン)などの仮想通貨への投資で得た利益・損失は別物と認識されますのでご注意下さい。

仮想通貨の確定申告

仮想通貨取引の税金は、平成29年度税制においては辛めです。株式等よりも高い税率となる可能性が高く(最大55%)、損を出してもクッションとなるようなお助け制度はありません。何よりも計算が煩雑で、おそらく大多数の税理士もお手上げです僕は「年内にすべての取引をクローズし、損益を日本円で確定させる」方法を支持しています。「足りなければ追徴されるリスク」にど真ん中で該当するからです。計算ミスで追徴されてペナルティ込みで9割の利益を持っていかれるリスクは避けるべきと考えています。

所得区分は「雑所得」に分類されます。ちなみに株式や投資信託は「株式等にかかる譲渡所得」に分類され、さきほどの「繰越控除」などのメリットがあることはご紹介しました。しかし仮想通貨はこれらとは全くの別物扱いですのでこうしたメリットはありません。

税率も異なります。株式等の場合は「分離課税」として他の色んな所得とは独立して計算され、一律約20%の税率となります。一方で仮想通貨の所得「雑所得」は「総合課税」としてお給料等のその他所得と合算した金額に基づき税率が決まります。日本は累進課税なので「所得が多いほど税率が高い」国です。

仮想通貨はとてもエキサイティングなゲームで、僕も大好きです。ですが、新しいものであるがゆえにたくさん勉強して考える必要がありますので、投資をご検討中の方はそうしたことを踏まえて運用することをおすすめします。

参考 雑所得国税庁HP

参考 確定申告書の入力例国税庁

まとめ

  • 税金は「足りなければ追徴されるが能動的に還付はしてくれない」もの
  • 「足りないと言われる(かもしれない)人」と「還付請求する権利がある(かもしれない)人」は確定申告についてググってみる価値がある
  • 詳細は必ず国税庁HPや税理士、最寄りの税務署に確認!

個人営業担当の金融マンの方へ

お客様に情報提供やご提案する際には税金に関する知識は欠かせません。「住宅ローン控除は確定申告で~」や「相続税の基礎控除が~」などの知識は誰でも知っています。ですが、確定申告を実際にしたことがある人は少数です。それなのに、お客様の大切な資産について本当に責任のある情報提供ができていると思えますでしょうか。

この記事を読んでくださる熱心なあなたはすでにご存知かもしれませんが、申告書の「A表」と「B表」の存在すらしらない金融マンが本当に多いです。ぜひ、最寄りの税務署に立ち寄り実際の申告書をもらってみて下さい。それだけで、あなたのご提供できる情報は「生きた情報」となり、お客様からも社内においても説得力のあるものとなり、個性へと昇華します。

もちろんネットで国税庁HPからダウンロードしても良いのですが、高齢のお客様は紙ベースが基本です。どちらにも対応できるよう、一度は紙ベースで手に入れてみることをお勧めします。

最後までお読み下さり、どうもありがとうございました。

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