【用語解説】集中投資、分散投資、積立投資

資産運用をお考えの皆さま、どうもこんにちは。僕です。

運用をする際に「分散投資が基本」と耳にすると思いますが、本当に正解なのか疑問に思うことはありませんか?

結論から言いますと集中投資でも分散投資でも「どちらも正解」です。

正確には「どちらも間違いではない」というべきでしょうか。

目的によりどちらを選ぶべきかが導かれることになります。

私は個人投資家には資産運用に時間を割くのではなく、もっと楽しいことに時間を使ってほしいと考えています。

そのため個人投資家には基本的に「放っておく」ことができる分散投資をオススメしています。

ここでは運用でよく使われる3つの用語について紹介します。

集中投資の考え方

集中投資とは

集中投資とは、多くの銘柄に分けて投資するのではなく限られた少数の銘柄に投資することを言います。

簡単に言えば「当たるか当たらないか」のスタイルです。

保険をかけないので、当たれば大きいけれど外れたときの損失も高い。

余計なものに分散しないため勝ち負けが分かりやすいです。

オフェンスに重きをおいたスタイルと言えますね。

集中投資のメリット

  • 自分の好きな分野のみで勝負できる
  • 少ない資金でも勝負できる
  • 短期勝負に強い

特に自分が強みを持っている部分に集中することができることがメリットです。

多くの銘柄について調査するには膨大な手間と時間が必要です。

対象を絞り込むことによりその手間と時間を最小限に抑えることができます。

「この銘柄が上がる!」と確信できれば分散する必要はありませんよね。

集中投資のデメリット

  • 得意分野がオワコンなら見も蓋もない
  • いわゆる「保険」がない
  • 常にウォッチしておく必要がある

限られた条件の中で戦うことが集中投資のデメリットです。

自分の得意分野が全体的に衰退しているような場合、基本的には不利な状況となります。

また、基本的には保険を利かさないため、予想を外した場合のダメージは大きいです。

RPGで表現すると、二刀流にすると攻撃力は上がるが防御力が下がるという感じでしょうか。

また物理防御が高い敵に対峙したときには倒しきるまでに時間がかかることになります。

そして往々にしてそういう敵は戦士系のこちらが苦手な戦略で攻めてきます。

圧倒的な力でねじ伏せるか、工夫で攻略するか、方針を転換するか。

常に相手に応じて選択を求められることになるため、放っておくことは望ましくありません。

分散投資とは

分散投資は集中投資と逆の考え方をします。

「どれが上がるかわからない」からこそ、たくさん買って保険を掛けるのです。

競馬で例えてみると、単勝や馬連といった「コレ!」という一点買いをするのが集中投資。

分散投資は複勝や枠連といった「この組み合わせのどれか当たれ!」というのが分散投資です。

採算を度外視すれば、複勝で何が来ても当たるようにすべての組み合わせを買うこともできます。

しかし単にリスクを下げてリターンもさげるものが分散投資ではありません。

同じリターンをより小さいリスクで効率的に目指していくスタイルを指します。

「5%のリターンを目指す」という目標に向かう場合、いくつか方法があります。

  • 当たれば5%のリターンが来るものを1つ買う
  • 当たれば10%のリターンが来るものを2つ買う
  • 当たれば1%のリターンが来るものを5つ揃える

目的を達成するために市場と自分に合った方法を考え組み合わせるのが分散投資です。

攻守のバランスのとれたトータルでのプラスを目指す、ディフェンスに重きをおいた運用スタイルと言えます。

分散投資のメリット

  • 大して勉強しなくてもなんとかなることごある
  • いわゆる「保険」を効かせるため資金も成果も分散する
  • 長期投資に強い
  • 目標設定がしやすい

集中投資とは異なり、分散投資はどのような状況になっても対応できる仕組みを構築します。

予め色んなことを想定して投資対象を決定する必要はありますが、その後は基本的にオートバトルです。

分散投資の極めつけは「市場にあるものを全部買う」という手法です。

考える必要がないため、対象となる運用商品のコストも低い傾向にあります。

いわゆる「積立運用」などではこうした「コストの安い商品を買って放っておく」スタイルがオススメです。

分散投資のデメリット

  • トータルでのプラスを目指すため短期的な成果は小さい
  • 投資対象を分散するためまとまった資金が必要
  • 投資対象が増える分、調査に手間がかかる

分散の度合いにより、リスクやリターンは変動します。

一般的に、分散すればするほどリスクは小さくなり、リターンも小さくなります。

短期的に大きな運用成果を求める場合には適していません。

 

また、基本的には分散をするためには多くの銘柄に投資する必要があり、まとまった資金と調査に対する手間と時間が必要になります。

「投資信託」の仕組みを使えばこのデメリットを打ち消すことができるため、個人投資家に人気の運用商品となっています。

もっとも、投資信託と一口に言っても色んな商品があります。

具体的な商品選定をする際には一度立ち止まって、よく考えてみることをオススメします。

積立投資とは

積立投資は集中投資や分散投資とは求める意味合いが異なります。

集中投資と分散投資が投資対象に対するスタンスを問う用語であることに対し、積立投資は投資手法を指します。

決めた投資対象に対して「毎月●千円ずつ■カ月投資し、合計▲千円を投資する」という手法です。

積立投資のメリット

  • メリット一度にまとまった資金が不要
  • 定めた時期に、定めた金額で購入できるため、感情を排除できる
  • 買い時を考える必要がない(=ストレスが低減する)
  • 最初に仕組みを作ればあとは放っておけば良い

一昔前は毎月1万円などの単位でしか積立投資ができませんでしたが、今日では毎月500円や1,000円から始められます。

いきなり10万円などまとまった資金がなくても始められるため、広く一般的に活用される手法です。

しかし最も大切なポイントは他にあります。

投資する商品が決まっていても、いざ買うときには悩みが次から次へと押し寄せます。

「今が本当に買い時か?もっと下がるかもしれない…」

「2カ月買い続けてきたけど値上がりしていない。もしかしたら投資対象が間違っているかもしれない…」

「今月は飲み会も多いし、出費がかさむ。やめておいた方がいいかもしれない…

積立投資はルール化して自動で購入する仕組みなので、こうした感情を排除することができます。

間違った商品選定をしていない限り、コントロールすべき残るリスクは「自分の感情」です。

積立投資の仕組みを使うことで自分の感情を抑えることができるのは強みだと思います。

積立投資のデメリット

  • 投資のタイミングを分散するからといって値下がりリスクは減っているわけではない
  • 最初の投資金額は小さく、短期的な大きな運用成果は得られない。
  • 積立金額を無理してしまうと知らないうちにリスクを取りすぎる可能性がある

積立投資のメリットは「放っておけること」です。デメリットはその逆と言えます。

安心して放っておくためには、最初のルール設計が肝心です。

「短期的な成果は求めない」、「無理のない積立金額を設定する」、「商品選定は間違えない」。

この3原則を徹底しましょう。

なお商品選定については「間違ったものを排除した中から適当に選ぶ」で問題ありません。

このあたりについては別記事で解説していますので参考にして下さい。

投資対象の選び方ロボアド不要!個人でできる投資対象の選び方。

まとめ

これら3つの用語をまとめてみるとこんな感じです。

  • 集中投資は「資産を築く」ためのオフェンシブなスタイル。運用に保険をかけない代わりにハマれば強い。自分の調査と直感に自信がある方に向いています。
  • 分散投資は「資産を守る」ためのディフェンシブなスタイル。単に消極的になるのでなく、効率的でバランスの取れた運用を目指す。全体に投資する「インデックスファンド」は個別の投資対象を調査する手間すら不要。
  • 積立投資は「運用を楽にする」ための投資手法。最初にルール化すればあとは放っておける。「インデックスファンド」などへの分散投資と相性が良く、集中投資とは相性が良いとは言えない。

資産形成のための運用には、費やす時間は最低限にしたいものです。

こうした個人投資家には「インデックスファンド」での積立投資が最適解だと考えています。

関連記事に大切なことを様々な角度で取り上げていますので、よろしければ参考にして下さい。

 

最後までお読み下さり、どうもありがとうございました。

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